とある森の奥の館があり
「グレイツェル」という魔女が住んでいた

この魔女には【窯に子供入れて食べる】習性がある
という言い伝えがあった

― 民家 ―

「よしよし、子供たちは寝たようだよ」

「おじいさんよ。
もうわしらにゃ明日食べるパンすらない。
あの子たちを森の奥に捨ててきておしまい」
「そんなかわいそうなことできん
なんとかならんかね」

「なにいってるんだい
このままじゃわしらまで共倒れだよ」
「むう・・・しかたあるまい・・・」
ー 翌朝 ー

「エンゼル、グレーテルよ
今日は森でかくれんぼをするから
ついてきなさい」

「ねえ、おにいちゃん
どこまで行くんだろう?」
「グレーテル大丈夫、いまは兄ちゃんに任せて」

「あれえ、おじいちゃん
どこにいったんだろう・・・」
「大丈夫。こっち」

「きれーい!光ってる!」
「この光る石を歩きながら落としてきたんだ
辿っていけば家に帰れるよ」

「おじいちゃんは?」
「じーちゃんはぼくたちを
最初から森に置いてくるつもりだったんだよ」

「ついたー!」
「グレーテル、石のことは
絶対に言っちゃだめだからね。いいね?」
「うん!」

「お・・・おまえたちどうやって・・・」
「来た道を帰ってきたよ」
「そうか・・・。さ、疲れただろう今日はおやすみ」
― その夜 ―

「なにやってるんだい!
あの子たち帰ってきちまったじゃないか!」
「うむむ・・・
明日はもっと森の奥まで置いてこよう」

「いいかい?エンゼル、グレーテル。
今日はもーっと森の奥までかくれんぼだ」

「ねえおにいちゃん、どうしておじいちゃんは
私たちを毎日置いていこうとするの?
「ばーちゃんに言われてるのさ。
でも大丈夫。今日も目印に
朝食のパンをちぎって道に落としてきたよ」
ー 3時間後 ー

「目印のパン、見つかった?」
「ちっきしょう!どこにもない!」
はっ!

「まさか・・・
道中にいたキメラに・・・」

「とりあえず森の先にすすんでみようよ」
「そうだな。この先になにかあるかもしれない」

「おにいちゃん!奥にお屋敷があるよー!
「なんだって」

「暗いね。誰か住んでいるのかな?」
「中に入ってみようか」

「だれかいませんかああああ」
「グレーテル、こっちこっち!奥にも部屋があるぞ」

「牢屋があるけど、
ここには誰も住んでいないみたいだね」
「仕方ない、ちょっと外に出てみよう」
― その頃 ー

「良い引っ越し先が見つかって
良かったですね、グレイツェル様」
「あんな屋敷にいたら大好物の子供ひとり来やしないわ
さ、行くわよ」

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